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Vol.12

Vol.12

対談

第三回

ゲスト:致知出版グループ、株式会社ヒューマニティー・マーケティング 代表取締役 /​ 池田篤史

エナジーフルネス対談

〜 ゲストの池田さんから逆インタビューを受けるという貴重な内容。

対談

第三回

ゲスト:致知出版グループ、株式会社ヒューマニティー・マーケティング 代表取締役 /​ 池田篤史

Vol.12

桑名)皆さんこんにちは。エナジーフルネス対談の番外編ということで、引き続き池田さんにお越しいただいて、いろいろお話をしようかなと思います。簡単に自己紹介お願いできますか?

 

池田)ありがとうございます。私、池田篤史と申しまして、株式会社ヒューマニティ・マーケティングという会社の代表をしております。また、致知出版社のマーケティング戦略推進室の責任者もしておりまして、今、『致知』という雑誌を使った勉強会などを全国各地に広げていく仕事をメインでさせていただいております。

 

桑名)『致知』は定期購読で送られてきますが、どれぐらい会員さんがいらっしゃるんですか?

 

池田)そうですね、11万8000人です。

 

桑名)すごいですね。

 

池田)そうですね、軒なみ紙媒体が落ちていく中で、じわじわと伸びてる状況です。

 

桑名)すごいことですね。今この時代にこそ必要な雑誌だと思っていて、うちでも購読させていただいてます。僕はあまりメディアに出る気がなくて、テレビはたまにお声をいただくんですけど、断っているんです。雑誌もそんな出る気もないんですけど、『致知』だけには出たいです。『致知』にはそのうち出られるような人になりたいなと思って、だから『致知』に出られるようないいことを言おうと思ってます(笑)。

 

池田)でも、そのご発言がきっかけで、このような対談が実現されたんですよね、本当にありがとうございます。

 

桑名)こちらこそ、ありがとうございます。普段の人間学ということをされていて、本編の対談でもそのあたりのお話を聞かせていただき非常に面白かったので、ぜひそちらもご覧いただければと思います(エナジーフルネス対談 第3回目はこちら)。で、番外編では、何か僕を掘り起こしてくれるということで。

池田)そうなんです!私は桑名さんをご紹介いただいた時に、その方から桑名さんの大切にされていることをいろいろお聞きしたんです。その時、大事にされていることが「習慣」「コツコツ続けること」とお聞きしてですね。それを大切だと真面目にお伝えされている方って、一般的には意外と多いようで少ないと思うんです。今の世の中、最速で稼ぐというような考えとか、今さえよければいい、お金さえ儲かればいい、自分さえよければいいというような方がまだまだ多いような気がしていて、私も過去色々お付き合いする中で、そういう方は全くいないということはなかったので、本当にコツコツ続けることの大事さと、あとはやっぱり波動という観点で、すごくお会いしたかったんです。

 

 私自身も、桑名さんのお話をその方からお聞きしてからYOUTUBEを拝見してました。それ以来、朝の祝詞と寝る前の祝詞を聴かせていただいています。あれは、ほんとに素晴らしいですよね。

 

桑名)嬉しいです。ありがとうございます。

 

池田)すごくいい形で眠りに入れますし、1日をスタートできます。やっぱりああいうのを習慣として落とし込むことは大切だなと感じています。そこで、まずお聞きしたいのは、なぜああいう祝詞というものが生み出されたのかということ。そのきっかけと、ここに至るまでの経緯をお願いできますか。

セルフイメージ、自己肯定感をあげるために必要なこと

桑名)はい、昔、僕の講座で、今も一部ではやっている[アファメーション]というのを軸でやっているんです。それをなぜやることになったかというと、『地上最強の商人』という日本経営合理化協会が出している分厚い1万円の本に関係してるんです。この本は昔のメンターに教えてもらったんですが、この中には10巻の巻物があって、これを毎日1巻ずつ朝昼晩読んでいくことで、地上最強の商人になれるという体の本なんですよ。一巻から十巻までいろいろなテーマがあって、一巻はガイダンスで二巻から本格的にスタートなんですけど、地上最強の商人になるための本の最初の捉えが愛の章(第九章:巻物の第二巻〈愛〉)なんですね。他にもセルフイメージ章とかいろいろあって、それを毎日朝昼晩、それを声に出して読むと10分ぐらいかかる結構長い文章なんですけど、それでセールスマンの多くがまずどこでつまずくかというと、愛なんですよ。僕はそこはスルーできたんですけど、2回大きな波があって、セルフイメージ

の章では僕はつまちゃったんです。で、10巻まであるのをひとりでやっていたら、8巻まで読んだけどそこから読めなくなってしたったんです。もう嫌なんですよ、読むのが。なんで嫌になってしまったのかというと、自分のセルフイメージとそこで書かれているすごく高いセルフイメージの違いを経験したときで、そこで言葉に出すってことはすごく大事なんだと思ったんです。そういうことが自分のメンタルにすごく影響するということが本を通じた原体験してと感じて、自分で何かプログラムを作っていくときには[アファメーション]させようと思って、いろいろな言葉を作ってきたんです。

池田)『地上最強の商人』ってオグ・マンディーノさんですよね?実は、私の人生を変えた本は、オグ・マンディーノさんだったんです。『この世で一番のメッセージ』という本がありまして、あの本で、私の人生は変わったんです。今お聞きしていて、すごくつながりました。そういう背景だったんですね。

 

桑名)そうなんですよ、多くの人が夜寝る前に、”ああ、今日はあーだったな”とか、”自分はだめだな”とか、そこで勝手に思っちゃうんですよね。心の中で言葉がが流れてて。なので、YOUTUBEでやっているあれは、そういう悔やむ皆さんが悔やみがちなポイントを切り替えるような文章にして、 ”いや、これはこれでよかったんだ”というようにそこで切り替わるような感じにして、いい言葉を浴びながら寝る。朝は朝で、今日は奇跡の1日を始まっていくという言葉で起きる。自分の中で勝手に言葉って出てきちゃうじゃないですか、その勝手に出てきちゃう言葉を変えていけば何でも考え方も変わります。だからあれを作っても毎日聴いてください、というのをやってるんです。

 

池田)あぁ、なるほど。西洋的なアプローチで「セルフイメージを変えよう」というのがありますが、私もそちらから入っていきました。それはそれで素晴らしいのですが、習慣化という観点では、一時的に良くなっても、すぐやめてしまう人とか結構いるじゃないですか。桑名さんの素晴らしいところは、それをずっと続けていこうとされた点です。

 

 私もオグマンディーノの本を読んで良くなったんですが、時間が経つと、また悪くなってきて、また読み直すということを繰り返しました。結局、ずっとその繰り返しでしたので、大切な言葉をコピーして鞄の中にずっと入れるようにしたんです。それでようやく大切な教えを定着できたという若き頃の思い出を、今思い返しました。習慣化していこうと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

続けること、習慣化することの大切さ

桑名)習慣、そうですね、僕がやっているのはやっぱり大事なこれはやっておかないとという大事な習慣っていうのだけです。すごくいろいろなことを続けてると思われてるんですけれども、実は本当はサボりがちで、これやっておけばいいよということしかしたくないんですよ、どうでもいいことはしないという。

僕、めちゃくちゃ要領が良くて、高校受験も大学受験も要領で乗り切ったんですよ。中学校3年生の時に3年生で僕、成績がぐっと伸びてそれで行けて、大学受験もセンター試験で点が伸びたんですよ。どうやっていたかというと、試験の問題を一番考える時って何時かっていうと試験中じゃないですよね。中学3年生になったら実力テストが増えて、普段はそんなやってないですけど、試験の問題を一番考えた夜に、もう一回試験を見直すとその時に、”あ、こうだった”って思うじゃないですか、実はその当時は知らなかったんですけど、[感情と結びついた記憶は潜在意識に入る]わけですね。それで、ああ、そうだったってなったら覚えるので、それを実力テストの後だけやってたんです。そしたらちょっとずつ伸びていって、その成功体験があったので、大学受験も冬休みだけ頑張ったんですよ。もう、試験さながらに、始めって自分で言って一つひとつ解いて答えを見ずに、その後ちょっと時間を空けて、夜にもう一度解答を見ながら見直すっていうのを2週間やってたら、センター試験で一気に成績が上がったんです、というぐらい、何を言いたいかというと、僕は重要なことしかやりたくないんですよ。

普段、そこまでやりたくない人間なんです。

 

池田)そうですよね、何でも度を超えてやりすぎると、疲れてしまいますもんね。

 

桑名)まあ、そうですよね。その僕がビジネスとかをやっていく上で一番成果が上がるのって何かなっていうのを、いろんな人を見たりとか、自分のこれまでの経験を踏まえていくと、続けることだったんですよ。

 

池田)あぁ、なるほど、なるほど。

桑名)続けているけど、でも実はそれは最小限の労力で、最大限の成果かなと思いますね。

 

池田)続けるにも正しい続け方、正しい努力を続けないと成果がでないですからね。桑名さんは合理的な部分と、マインドの部分というのを上手に組み合わせて、教えていらっしゃるんじゃないかなとお聞きしていて思いました。

 

桑名)そうですね、「続ける」というと基準が人それぞれ違うなって思っています。こうなりたいというのが皆さんの中にありますよね、もしくは逆にここは嫌だというようなこと。例えば女性のモデルさんだったら、43キロより上の自分はイヤ、受け入れられないとか。でもそれがちょっとふくよかな方だったら、60キロ、70キロ以上になっちゃったらイヤかもみたいな。人それぞれ受け入れられない範囲というのがやっぱりあって、これが結構大事かなと思いますよね。

だから、僕は結構ネガティブモチベーションを結構使うんですけど、ここでやらないとこうなっちゃうよね、だからやろうという方法。

 

池田)それは大事ですよね。私自身の観点でいいますと、よく会社の中で社長が幹部に「ここを目指そう」と言い、幹部が社員さんに「社長がこう言うから続けよう」といった話がよくありますけれども、実態としては続いていないことが多いじゃないですか。

 

そういった時に、願望で動かそうという観点と、「これをやらないとこうなってしまう」という観点をサンドイッチしないと人間ってそう簡単に動かないですよね。そういうこともコーチングされていらっしゃるんですか?

 

桑名)はい、動かないですね。そういうのもプログラムではあります。

 

池田)それを「対法人」に提供されたりしないのですか?

 

桑名)法人というより、僕は経営者の方しかあまり関わらないので、今のところですけれども、要望があればやってみても面白いかなと思います。

 

池田)そうですね、悩まれている方はいっぱいいると思います。

 

あと、私は人間学を学ばせていただいていますが、一方で大切だなと思うのはセルフイメージとかバックキャスティングの発想ですよね。願望を強く抱いて、カラフルに見えるまで未来を描き、そこに向かっていくためのバックキャスティング思考で、どうやって動いていくか?をロジックとして決めていくという学びもしてきました。どちらも大事だなと思うのですが、桑名さんも、やっぱりそう思われますか?

習慣の前に必要なのは、夢と目標と予定の設定

桑名)僕がよく言っているのは、[夢と目標と予定]があるということです。このこれをうまく回していくというのをやっていて、夢はもう全然年収沢山とか何億とかなんでもいいんです、ただこれがこのままだと叶わないので、ここに近づくための目標を作りましょう。この目標は僕の感覚値で言うと3ヶ月から半年ぐらいがいいなと思ってるんです。そんなに長くはないです、この目標はしかもその3か月から6ヶ月ぐらいで実現できそうなもの、ちょっと無理をすれば。これを設定したら予定が決まってくるんですね。そこで何をすればいいか。これをやっていくと目標が実現しますから、そしたら実現している自分がいるから、次もうちょっと大きな目標が立てられるじゃないですか。これを実現しました、きちっとしましたってなったら、ちょっとずつ[目標の大きさが夢の大きさに近づいていく]んですよ。それを設計するというのが大事ですね。

 

池田)そういう設計もされているのですか。

 

桑名)そうですね。

 

池田)それは、パワフルですね。

 

桑名)で、なぜ3か月から6ヶ月ぐらいがいいかというと、実は目標って立てても、1年1年の目標だったら大体10ヶ月ぐらい何もしないですよね。10ヶ月経った時に、ああって思う人はほとんどいなくて、あー今年も無理だなって思うものなんですよね。だから期限が体感として感じられやすい時間というのは大体3ヶ月から6ヶ月ぐらいなので、3ヶ月でこれやるにはどうしたらいいかなって、もう初月から何かしないといけない状況なわけです。それを作って、僕がいつも言っているのが、例えば2ヶ月と20日ぐらい経った時に、[達成できなくてもいいから、そこからもがくのが大事]だって言ってるんです。ここで今までの自分よりちょっと成長するんですよね。

池田)もがかないと成長しないですもんね。

 

桑名)そうなんですよ。ここで諦めずに何かできる方法ないかなって考えましょうと。それをやっても実現しなかったらそれはそれで良くて、それで実現しない時はそもそもの目標設定が大きかっただけなんですよね。大きいならちょっと手前のものをしましょうとかそんな感じで進めるんですよ。

 

池田)なるほど。なので「できなかった時に何故できなかったのか」ではなくて「できるように解決策を一緒に考えていく」ということですね。

 

桑名)はい。だからもがいたことが大事って思ってますね。実際、僕、今年の3月までの目標で2個達成しなかったんですよ。それは世の中の流れ的なところもあったんですけど、でもまあ最後までもがいて、また次の目標というのを作っています。

 

池田)そうですか、ご自身で体験されたことを経営者の方々にお伝えしているということですね。あと、よく言うのが「夢と志は違う」みたいな話があるじゃないですか。「自分はこうなりたいという夢」と「公のため、世のため人のために」という意味での志。何かこの辺のバランスとか、どうお考えでいらっしゃいますか?

 

桑名)えーっと、僕は、その志の部分と夢とか欲望的なものって、脳の中で区別はつかないと思ってるんです。だから両方全部出して、その中に志もあるし、でもこの下世話な何か欲望みたいな、モテたいみたいなとか、そういうものを制限しちゃうとこっちも見えなくなっちゃうのがあるから全部OKで、ただ欲望みたいなものは公には出さずこっそり実現します、とか。それはそれで持ってていいし、例えば一般の方で有名になりたい、こんなことをしたいというのが承認欲求から出ているものだからダメとか言われる方いるんですけれども、いや、今それを思っているならそれを書いてよくて設定してよくて、でもある程度実績が出てきてそれを見返すと、これもうどっちでもいいやっていうのも出てくるんですよね。

サラリーマンの人に夢を描いてと言ったら、南の島でのんびりしたいというのが返ってきます。でも、それって多分疲れているだけなんです。疲れたりとか、毎日通勤電車に縛られている生活をしているから、ちょっと自由に生きたいというだけの話で、それをある程度やったらもうそれは満たされるので、じゃあ南の島は旅行で行くぐらいでいいなって変わったりするんですよね。

だからまず今持っている願望というのは、きちっと自分の中で認めてあげて書くというのはすごく大事で、その中にちゃんと志ってあるんですよね。

 

池田)なるほどですね。あえて自分の欲望的なものは伏せておきなさいとか蓋をしなさいというわけではなく、それも書いていいよ、ということなんですね。で、いろいろやっていく中で、いつの間にか公的な志と欲望が融合されたいい形になっていくようなイメージですね?

 

桑名)そうですね。まぁでも欲望も持っていたらいいですけど、でもそれは仕事では出さずにプライベートでやったら、と。今ホワイト社会なので(笑)。社長の方々でも、例えば夜のお店が好きな人だっていっぱいいますし、それはそれでそっちで、でもこれをやれるから仕事頑張れるという人もいるんです。その人からそれをとってしまって、仕事をやる気がなくなってしまうこともあると思うんです。仕事って世の中への価値提供じゃないですか、価値提供できないってことは世の中にとって損失なので、だからその人がこっちの欲望を実現することっていうのは、実は多くの人を喜ばせている可能性だってある、だからそれはちゃんと満たしてあげたらいいんじゃないかなと思っています。

 

池田)桑名さんの魅力のうちの一つに、堅苦しくないというのがありますよね。

 

「人間はこういう気持ちがあってもいいんだよ」と。お聞きしていて、詩人の相田みつをさんもそういうところがあったなと思い出しました。「人間だもの。しょうがないよね」と「欲が出るのもしょうがない。持っていていいんだよ」とした上で、それに加えて、公も大事だよと。だから相田みつをさんの詩に勇気づけられる方が多いのかと思いますけれども、それと同じような感じがします。

誰もが人を喜ばせる価値提供ができる

桑名)そうですね。僕の中で[仕事で一番大事なのって、やっぱり価値提供で価値を提供するからお金をいただけるじゃないですか。その価値って自分がやらない限り世の中に生まれないんですよね。価値って何かっていうと、問題解決か誰かの望みを実現することで、トータルでいうと喜びだと思うんですね。この世の中にどれだけの喜びを見出したかっていうのがめちゃくちゃ大事だと思うし、それは人にしかできないし、それこそが仕事]だと思っています。それが、[どんな人がその喜びを生み出した人がどんな人かということよりも、世の中に生み出した喜びの数の方が大事]だと僕は思っているんですね、結果的にそれをした人は繁栄をするんですけど、崇高な目標、志があっても誰も喜ばせていなかったら何の意味もないので、そんなんだったら、こんな自分でもいいから人が喜んでくれることをしようっていう方が大事だなと思っています。

池田)なるほどですね。そこは本当に大事ですよね。喜びがエネルギーの源泉になりますからね。今お聞きしていて、すごく腑に落ちるところがありました。私もキャリアでいうと今、人間学どっぷりなんですけど、その前はマーケティングどっぷりで、結構相反する世界観というか、色々な方々がいらっしゃったんですけれども、よくよく考えるとやっぱりそういうエネルギーの高まりが、活動の源泉になっていきますので、エネルギーをどう高めていくのかの源は、欲がやはりあっていいと思います。それが世のため、人のためとなり調和していけば人間としての自分らしさを発揮していけるのかなと思ってお聞きしていました。

桑名)そうですね。ただ、欲があっても全然それはいいんですけれども、ただ、人って欲を持ちながら自分を律して、例えば人にいいことをした時に、一番自分を褒めてあげられるんですよね。

だからその精神性っていうのは高めていった方が自分にとっていいなと思っています。だから欲もしっかり持ちながら、これは持っていていいけど、やり過ぎないということ。今日もサボりたいけれども、自分を奮い立たせて情報発信したりとか、そうしたら自分が一番嬉しいじゃないですか、このことがすごく大事だなと思ってます。だから、どんな自分でもいいんですけど、自分を大好きになりたかったら、そういう部分も大切だなと思います。

 

池田)なるほどですね。今のお話をお聞きしていてふと思い出したのが、森信三先生です。森信三先生はよく『致知』に出てきて、国民教育の師父といわれるような方なのですが、先生の本の中に、「捨欲即大欲」という言葉があるんですよね。小さな我を捨てることは、つまるところ、大きな欲を持つこと。大欲は志だという教えがあるのですが、桑名さんのセッションとかコーチングとかを受けていくと、徐々に自分自身の欲というのを満たされ、その結果、いずれ大欲になっていくような経営者へと変わっていっているんじゃないかなと。

 

桑名)そうであれば嬉しいですね。

 

池田)そう感じました。でも、桑名さんのような方に色々相談に乗って欲しいというような経営者の方も多くなってくるんじゃないですかね。悩んでいる方は結構多いと思いますし。私の場合ですと、幹部とか社員さんのことで悩んでいる経営者の方が結構多いんですが、そういった方に何かアドバイスがあるようでしたらお願いしたいです。

 

桑名)そうですね、でも経営者が一番模範となるというのが大事ですよね。

 

池田)そうですね、率先垂範で。

 

桑名)よくコミュニケーションをとるということは大事ですよね。ある人から聞いた話ですけど、経営者、ある社長が自分の仕事は社員のお家のお墓参りに行くことだっていうんですね。それだけ大切にされていたら、社員ってやっぱり喜ぶものなんですと言ってました。それは本当にいいと思ってその社長はされていたみたいですけれども、やはり何か大切にするというのは見える形でやることが大事だし、そのためにはコミュニケーションということかと思います。

 

池田)大事ですよね。最後に、エナジーフルネスって何ですか?

エナジーフルネスとは?

桑名)エナジーフルネスというのは、エネルギーが満たされているという状態のことなんですけれども、どんな人も、すごい人ってすごいだけじゃなくて、すごい人の中にもダメな部分というのがあるんですよね。[すごい人というのは、このすごい部分が発揮されるような習慣とか状態のつくり方というのを持っています]。普通の人はすごいんじゃなくて、すごい部分を発揮してないだけだと僕は考えています。だから自分の中にあるすごい部分を発揮できるようなあり方とか、状態の整え方というのがエナジーフルネスだから、それを整えて自分ができることを分かち合おうとかっていうのをしましょうと、そんな状態のことです。

 

池田)なるほど、それをエナジーフルネスと言っているのですね。いつでも元気があるというような状態ではなく「すごいところを発揮していく」ということなのですね。

私も大切にしているのが、才徳(才能や徳性)を際限なく発揮できるような人たちが増えてほしいなと思っていまして、それとすごく近いと思います。そのためには何が大切かというと?

 

桑名)身体、心、エネルギー、環境、この4つの状態をまずは整えていくことですね。誰だってできることです。あとは行動というのがあって、行動は密教の言葉で[身口意]ってあるんですけども、[身体、口癖、意識]、これで身口意っていう

んですけれども、それらを整えていくといい状態になる。でも実は身体、心、エネルギー環境で、身口意は皆さんがこれがいいよというものが全部入っているんですよ。だから掃除するとかは環境の部分ですし、ありがとうって言いましょうは身口意の口をもむものです。皆さんが言ってくれていることですけれども、そういったこと、自分を斉えるというのをやれば自分の中のいい部分が出てくるのです。

 

池田)なるほど。「赤字会社には3つの共通点がある」というのが日本電産の創業者の永守重信さんの話に出てきて、その3つは何かというと、遅刻や朝ギリギリに来る人が多い、挨拶をしない、職場が汚いということなんです。そのあたりも桑名さんのお話と一緒ですね。人生を発展させるのも、会社を発展させるのも、そういう原理原則をちゃんと守っていけば発展していきますよということですね。

 

桑名)僕はYOUTUBEでライブ配信している時に質問にお答えしたりもするんですよ。職場がこうこうこうでというお話しの時には、その人が一般の社員さんだったら上司とかに言うわけにもいかないから、じゃあ机の周りを片付けて、できたらその事務所でもいいし、自分の机でもいいから花を飾りましょうと、それだけでちょっと変わってくるわけで、と。

そんなレベルで自分の環境とか状態というのは大事なんですよね。

 

池田)桑名さんのそういう簡単に今すぐできることをコツコツ示してくださっているというのが、きっと救われている方って多いでしょうね。

 

桑名)それだったら嬉しいですよね。

 

池田)大事ですよね。まず第1歩を何から始めるかというのは、分かっているようで分かっていない方って多いですからね。ありがとうございます。すごく私自身も桑名さんのことをいろいろ知りたいなと思って、番外編を設定していただきましたが、これからも色々聞かせていただきたいと思います。

 

桑名)はい、ぜひお役に立てるなら嬉しいです。ありがとうございます。

番外編の動画視聴は、こちら

エナジーフルネス対談、第3回目 本編はこちら

セルフイメージ、自己肯定感をあげるために必要なこと

桑名)はい、昔、僕の講座で、今も一部ではやっている[アファメーション]というのを軸でやっているんです。それをなぜやることになったかというと、『地上最強の商人』という日本経営合理化協会が出している分厚い1万円の本に関係してるんです。この本は昔のメンターに教えてもらったんですが、この中には10巻の巻物があって、これを毎日1巻ずつ朝昼晩読んでいくことで、地上最強の商人になれるという体の本なんですよ。一巻から十巻までいろいろなテーマがあって、一巻はガイダンスで二巻から本格的にスタートなんですけど、地上最強の商人になるための本の最初の捉えが愛の章(第九章:巻物の第二巻〈愛〉)なんですね。他にもセルフイメージ章とかいろいろあって、それを毎日朝昼晩、それを声に出して読むと10分ぐらいかかる結構長い文章なんですけど、それでセールスマンの多くがまずどこでつまずくかというと、愛なんですよ。僕はそこはスルーできたんですけど、2回大きな波があって、セルフイメージの章では僕はつまちゃったんです。で、10巻まであるのをひとりでやっていたら、8巻まで読んだけどそこから読めなくなってしたったんです。もう嫌なんですよ、読むのが。なんで嫌になってしまったのかというと、自分のセルフイメージとそこで書かれているすごく高いセルフイメージの違いを経験したときで、そこで言葉に出すってことはすごく大事なんだと思ったんです。そういうことが自分のメンタルにすごく影響するということが本を通じた原体験してと感じて、自分で何かプログラムを作っていくときには[アファメーション]させようと思って、いろいろな言葉を作ってきたんです。

池田)『地上最強の商人』ってオグ・マンディーノさんですよね?実は、私の人生を変えた本は、オグ・マンディーノさんだったんです。『この世で一番のメッセージ』という本がありまして、あの本で、私の人生は変わったんです。今お聞きしていて、すごくつながりました。そういう背景だったんですね。

 

桑名)そうなんですよ、多くの人が夜寝る前に、”ああ、今日はあーだったな”とか、”自分はだめだな”とか、そこで勝手に思っちゃうんですよね。心の中で言葉がが流れてて。なので、YOUTUBEでやっているあれは、そういう悔やむ皆さんが悔やみがちなポイントを切り替えるような文章にして、 ”いや、これはこれでよかったんだ”というようにそこで切り替わるような感じにして、いい言葉を浴びながら寝る。朝は朝で、今日は奇跡の1日を始まっていくという言葉で起きる。自分の中で勝手に言葉って出てきちゃうじゃないですか、その勝手に出てきちゃう言葉を変えていけば何でも考え方も変わります。だからあれを作っても毎日聴いてください、というのをやってるんです。

 

池田)あぁ、なるほど。西洋的なアプローチで「セルフイメージを変えよう」というのがありますが、私もそちらから入っていきました。それはそれで素晴らしいのですが、習慣化という観点では、一時的に良くなっても、すぐやめてしまう人とか結構いるじゃないですか。桑名さんの素晴らしいところは、それをずっと続けていこうとされた点です。

 

 私もオグマンディーノの本を読んで良くなったんですが、時間が経つと、また悪くなってきて、また読み直すということを繰り返しました。結局、ずっとその繰り返しでしたので、大切な言葉をコピーして鞄の中にずっと入れるようにしたんです。それでようやく大切な教えを定着できたという若き頃の思い出を、今思い返しました。習慣化していこうと思われたきっかけは何だったのでしょうか?

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